1. |
samayuzame × 瀬名航 - CMYK
03:42
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遥か遠い記憶に跨ったまま、
蒼いインクを溶かす。
悪い夢が現実を食（は）む最中、
誰が救ってくれるのだろうか。
「生んで、消して、
無味無臭の言葉を。」
倦（う）んで、また、結（けっ）した。
「あなたは誰？」
味気ない音。
〝白く霞んだ朝焼けを
果敢ない希望で染め上げて―″
混ぜた彩色（さいしょく）のパレットで
言葉は零れだした。
切先を隠して。
那由多。
散らばる音を掻き集めた。
午前2時頃 憂鬱の中で
踊る偶像 想いながら
赤茶けた台詞 繰り返す。
〝愛は、季節すら蝕んで。″
腐ったノイズすら有難がる物語。
描いた線を消して、還（かえ）る。
白紙の海の底へと。
膿んで、化（け）して、
透明な偽物が、
熟んで、また、決した。
どんな名前で呼んでくれても
鳴らない鼓動。
「嘘のような物差しで
朽ちたマヤカシはやめて。」
曝け出した思案に
涙は溢れ出した。
〝僕だけの色！″
〝黒く昏（くす）んだ夕景を
叶わぬ願いで染め上げて―″
傷癒えるキャンバスの裏側で
才能は毀れ出した。
世界から隠れて。
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2. |
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毎夜毎夜と世迷言や懐古
昨日今日と君の心配事に案とヒント思案してる
ベッドサイド 空みたくシアンの錠剤
常夜灯のオレンジと秒針が急かす
「チクタク」
四苦八苦して幾何か微睡んでも
ブランケット染みたデオドラント
こそばゆい鼻腔
大好きな微粒子 胸いっぱいに
（君のせいさ）
毎晩の焦燥も安堵感も感傷も
何度も何度も繰り返したはずで
いいこともわるいことも
快感も嫌悪感もハイもローもバッドも
ありきたりな幸せも
毒も薬も優しさも分け合おう
なんでも
ふたりしてワケアリで間違えてしまおう
ほら、この夜もいよいよ明けるよ
おはよう
おやすみ
寒空のさよなら 思い出して
真夜中 今更 強かなフリした
エンドロール巻いた 嫌悪を抱いて
浴槽 溶かした 溜息の数も人知れず
ハナから知ってた 最初から間違いだったことも
わたしたち 子供だったことも
ヤバい誤謬と 甘い五十音 熱に浮いて空腹に沁みてく
愛の営為 病に定義 オーバードーズ 痛み分け
眠らない君と 食べれない私 何度もわからない話ばかり語り尽くして、果てて、
愛の死体 抱いて 肥大化 眠り薬 ふたりで溺れよう
朝焼けの曇り空が赤く赤く燃えるよりも
暖かく愛おしい温もりは錯覚?
咀嚼しても消化不良な不条理からもいっそ逃避
心中って悲劇もお似合いかもしれない
病めるときも健やかなるときも
朝も昼も夜も夢も現もこれからもずっと
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3. |
samayuzame × ぴぼ - 夜顔の告白
03:36
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ふさわしい 徒花（あだばな） 抱いた嫌いは逆しま
ただ曖昧なままの光に
合言葉 照らした 割れた鏡
止まれない ごっこ 窓を失くして
絶った匂いが満たした浴室の壁には
夕に 空に 中に 暗に 溶ける日常
吐いて 感染（うつ）した 藍色の感傷は
螺旋の随（まにま）に 誰彼も 創造の糧
嘘を試して 疑い 衝（つ）く罪には
狙いは不確か
これからも 聖女のままで
片手じゃ足りない 食いあい 捕らわれて
桃花（とうか）の眼（ひとみ）に 夜を間違えていく
紅く跳ねる呼吸音 腫れた傷口
誰にも言えない 手を繋いだ 秘密で
今日も 明日も ずっと
無垢を剥がして 冷めた体 纏えど
言葉は裏腹 火照（ほて）る 汗ばむ現実
嘘を愛して 煩わしい心を
見透（みす）えた破滅で 太陽殺して
飽いて 優しさ 充てがえば呆気なく
螺鈿の箱庭 枯れ削がれ 想像の果て
嘘を暴いて 頬に触れた罰なら
願った暮らしは
いつまでも 幻のままで
お望み通り
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4. |
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くたびれた都会の静寂（しじま） 匿う 白壁のお城
色沢（つや）めくウサギを追いかけて 覗く 楽園の扉
迷子のフリするの 振りかざす右手は3本指
ぐちゃりと蕩（とろ）けて半分こ ボクと キミとをさ
借り物の言葉並べて
「どうする？」「さ、お好きに召し上がれ」
蠱惑する四拍子 撫でる声 懲らしめて
キラキラ 噴き散る滴（しずく）
コレクションのイチバン なりたいな
眠れる森に堕ちたら 夢の中
秘密の契約 共犯関係
暴いたら わかってるよね
執行人は いつだって
すぐそばに
仮初めの心ほぐして
「どうして？」「まだ離れたくない」…なんて
小悪魔の「本当」に 酔いどれて 口移し
嫌いだな 知らない傷痕
甘苦しい電流が 弾けてく 痺れたサカナみたいに
ボクの中
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5. |
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翳（かげ）る身 雷（らい）を 敲（たた）く 聲（こえ）
震える この手に 証を
妬けつく夜半（よわ）を 血塗る引き金 欺く化身 彷徨える意図
転がり落ちる 水漬（みづ）く屍 掻き毟る憎悪 滾る
蒼き虚（そら）に 放て
我が柄（え）よ 拙なる永久（とわ）に 穿（うが）つ花
残照 偽り裁く 赤鉄（せきてつ）の刃 生命（いのち）の灯（とぼ）しを
幼き日々 遠退いてゆく
唾棄寄せ 魂彩る 奏でるは調べ
形ないその愛は 今終わらせて
相成せ 混じり気なき者 破滅の地
我が夕映（ゆえ） 奈落を喰らう 終焉の合図
覇王の名帯びる 獣よ
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6. |
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「切れた フィラメントを 取り換えて」と
灰積もる街 淡い記憶
何度も何度も 引き寄せては 鏡写し
ふたりの写真立て 手回しのオルゴール
触れていられるのに
木目の隙間から 想いが溢れて
指先からすり抜ける
哀しさより 代わりのない 浅はかな愛しさが
コンクリートから 足を放したら
繋ぐ 透明な意図 そのままでいて
遠のくからだ 相対して
何度も何度も引き寄せる 確かな温もりを
眼を閉じたら
明日の朝（あした）へ漕ぎだすの また
二人で
どれほど経っても融けないで
夜の水面に絡み合うよう浮遊してく
誰よりもそばに
ひとりきりはもう十分すぎるから
身を焦がすような頬の熱をいつまでも
ねえ あなたにもわかるでしょう？
弧を描き空を泳いだ名前の知らない鳥も
白く咲いたあの花だって
私１人じゃ綺麗に見えないの
絶望の淵にドラマチックな空の下で
私の褪せぬ想いは叫びとなって
あなたのすぐそばにいつまでもいるよ
この世で一番かなしい夜に
愛おしい頬に手を
二人で
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7. |
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「なんか普通？」が苦痛のクエスチョン
無限ループ ジレンマ 増えるよう
頼りすぎ 「安心」への服用
エモーション 幾錠もせびる量
フィクションのような盛り 散る中で
陰と陽 社会知る勿れ
不適切な思草（たばこ） 煙染みた涙
酸化してゆく想い出への合間
制服 ワガママ 蒙昧 衝動
新し 黒髪 おそろい 火遊び
あの時 感じた 永遠 胸騒ぎ
若さは 賞味期限つき 気まぐれな日々
春患い 狂わせる
逢い 手乱すメロディー 雨（あま） 花蕾（からい）
桜揺らして 震わせる
青い記憶に触れた わたしと
待ってましたとばかり ラップしてはっとする
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